Fragile~思い出に変わるまで〜
フフッと機嫌良く笑いながら、今度はカボチャのスープを運んでくる。


それをテーブルに並べながら、さとみが俺の方をちらっと見た。


「もう出来るから、着替えてきたら?」


そう言われて初めて、自分が上着も脱がずに突っ立っていたことに気づいた。


「あ、あぁ……わかった
着替えてくるよ」


着替えるために寝室に向かいながら思う。


どうしたんだろう?


ここ2ヶ月の中でも、こんなに機嫌のいいさとみは初めてだ。


なんだか落ち着かなくてそわそわした気分になる。


もちろん、機嫌がいいのはいいことなんだけど……


さとみの様子に困惑しながら着替えをすませリビングに戻ると、すでにさとみは席についていた。


「お待たせ」


そう言って俺も席に着く。


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