Fragile~思い出に変わるまで〜
「今日は何時に行くんだっけ?」


自分からその話題をふるさとみに驚きながら、それでもなんでもないふりをして答える。


「5時に元旦那と待ち合わせてるから、4時半には迎えに行くつもり」


言いつつコーヒーを飲むふりをしてさとみから目を逸らしてしまう。


「そっか、娘さんは?
一緒に行くんだよね?」


声のトーンは相変わらず明るい。


あんなに気にしてる様子だったのに、やはりあの日生まれ変わると言ったのは本当なんだろうか?


それとも、今日で決着がつけば、もう気を揉まなくてすむと思っているのか……


さとみの真意がわからなくてどう答えたものか迷ったけれど、彼女の疑問にはなんでも答えてやるつもりでいた。


こんなにやつれてしまった彼女への、せめてもの誠意のつもりで。


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