Fragile~思い出に変わるまで〜
例のレストランが近づくにつれ、だんだんお互い緊張して口数が減ってくる。


到着すると、二人で顔を見合わせ、緊張をほぐすために深呼吸した。


それからまた二人で顔を見合わせると、決意を固めたように頷き合う。


車を降りると、不自然にならない程度に寄り添いながら、店の扉を開けた。


店に入ると店員に待ち合わせであることを伝える。


どうやら相手はまだ来ていないらしい。


個室に通され、とりあえず隣どおしに座り、対面の席は開けておく。


腕時計を見ると、ちょうど5時になるところだった。


お酒は飲まないつもりだったから、コーヒーを頼み、相手が来るのを待つ。


横にいる藤森をチラッと見ると、かなり緊張してるのか、顔色が悪いように見えた。


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