Fragile~思い出に変わるまで〜
「おー、久しぶり!
一瞬誰だかわかんなかったよ」


ずいぶん貫禄が出た腹を指差しながらおどけたように笑うと、後藤はひでぇなぁとその腹をわざとつきだして見せた。


こいつは昔から人をまとめるのが上手い。


きっと後藤がいなかったら、クラス会だって一度もやることなく終わってたかもしれない。


今だってこうしてわざわざ早く来てること自体、面倒のいい証拠だ。


「じゃあ、先に中に入って待ってるか」


後藤はそう言って、俺を引き連れて店の中へと入っていった。


どうやら自分は一番乗りらしい。


あんなに忙しいとか言っといて、一番乗りなんて恥ずかしくなる。


俺は少し照れながら、後藤と一緒に部屋でみんなを待つことにした。


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