Fragile~思い出に変わるまで〜
涙を流しながら途切れ途切れにそう言った藤森が、俺の胸にもたれかかってくる。


こいつは、誰かがついてなきゃダメかもしれない。


この先ひなと二人で暮らしていくには藤森は弱すぎる。


そんなことを思いながら、藤森の肩を掴んで引き離した。


「お前は母親なんだぞ!
しっかりしろ!

ひなを守れるのはお前だけなんだから」


それでも藤森は一人で育てると決めたんだ。


だったら、強くなってもらうしかない。


今の彼女は俺に頼ってばかりで、俺の立場は無視してる。


謝りながら、それでも俺に妻がいることを見ないようにしてるのかもしれない。


これ以上は無理だ。


俺に出来るのはここまでで、ずっと藤森の側にいてやることは出来ないんだから……
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