Fragile~思い出に変わるまで〜
それでも普通に考えれば、さとみは妻で、藤森は他人だ。


中学時代に可愛い付き合いをしただけの元彼女ってだけだ。


どちらをとるかなんて一目瞭然なはず。


藤森は俺じゃなくても良かったんだ。


たまたま相談に乗ったのが俺だっただけで、違う相手に相談していれば、こうはならなかったと思う。


でも……


俺は関わってしまった。

いまさら無かったことには出来ない。


どうしたらいいのかわからなくて、自宅マンションの駐車場に着いても、なかなか車から降りることが出来ないでいた。


さとみは、今頃泣いているんだろうか?


やはりもう二度と藤森に会わないと約束しなければ、許してはくれないだろう。


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