Fragile~思い出に変わるまで〜
「そっか……

無事で良かったね?

健が来てくれて……藤森さんも心強かったんじゃないのかな?」


厭味ではなく本音で言ってくれてるような気がして、俺はやっぱりさとみはわかってくれたんだと感じた。


「まったくあいつは母親のくせに泣いてばっかりで、薬も飲ませてないから驚いたよ」


ハハッと笑いながら調子に乗ってそう言うと、さとみは悲しげに目を伏せた。


余計なこと言ってしまったんだろうかと内心慌てながら、今後のこともきちんと話しておかなければと言葉を続ける。


「あのさ……

さっきはさとみが行かないでくれって言ってたのに、ごめんな?

ほんとに申し訳ないと思ってる……

でもあのままだとひなが危なかったかもしれないんだ

だから今回は俺……

……行ってよかったと思ってる」


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