Fragile~思い出に変わるまで〜
だけど私には守るものが出来た。


だからもう昔のままじゃいられない。


「いつまでも昔みたいな臆病者じゃないんですぅ
私は強くなったの

実はそのことで美咲に報告があるんだ」


さっきテーブルに出したままだった母子手帳を、美咲に方に差し出した。


美咲はそれを見て目を見開いた。


「ちょっ!これって……
あんたいつから?

だいたいこのこと健は知ってんの?」


いたずらを見つかった子供みたいに、私は美咲を上目遣いで見ながらヘヘッと笑う。


「実はもう7ヶ月に入ったとこなんだ

健のことで悩んでるときにね?

体調が悪くて、ずっとストレスのせいだと思ってたの

そしたらそれがつわりだったみたいで……

健にはこのこと抜きで、私を選んでほしくて言えなかったんだ

でも結局向こうを選んだわけだから、言わなくて良かったと思ってる

一人で育てる決心もついたし、この子がいたから私、強くなれたんだと思うし……」


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