Fragile~思い出に変わるまで〜
美咲はよほど驚いたのか、私の顔をまじまじと見ながら絶句している。


「だからこのことは絶対健には言わないで?」


そう念を押すと美咲は大きなため息をついてから口を開いた。


「わかった

あんたには降参

健にも誰にも言わないから

でもこれからどうするつもり?

今は実家にいるんでしょ?

ご両親は知ってるの?」


こんな風に質問攻めにしてくるのは、心配してくれてる証拠だ。


美咲の言いたいことも、わかってる。


「今、美咲に話した通りに説明した

最初は怒って反対したけど、私が考えを曲げないもんだから根負けして、今は応援してくれてる」


笑いながらそう言うと、美咲は信じられないといった顔で首を横に振った。


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