Fragile~思い出に変わるまで〜
私は決意を固めておもむろに手紙を掴むと、美咲にそれを手渡した。


真面目な顔でしっかりとそれを受け取った美咲は、少し困ったように首を傾げる。


「でも私……彼女の家、なんとなくしかわかんないけど、どうしたらいい?」


以前、健と藤森さんが抱き合ってるのを目撃した場所が、きっと彼女のアパートの近くだろうと思っていた。


だから美咲ならわかるんじゃないかと思っていたんだけど……


さすがに私が行くのは都合が悪い。


他の人よりは小さいお腹だけれど、子供を持つ藤森さんには妊娠してることくらいわかってしまうはずだ。


健に聞くわけにもいかないし、行けばなんとなくわかるかなと簡単に考えていただけに、それ以上のアイデアも浮かばない。


「そっか……

はっきりした場所とか、わかんないもんね?」


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