Fragile~思い出に変わるまで〜
どうしようかと頭を悩ませていると、美咲が軽い口調で言った。


「じゃあさ、私、明日仕事ないし、とりあえずちょっと張ってみるよ」


美咲はそう軽く言ってくれたけど、せっかくの休みに、しかも現れるかどうかわからない人を探すのは、並大抵のことじゃない。


それでも美咲ならなんとかしてくれるんじゃないかと、つい思ってしまう。


「ごめんね?

じゃあ美咲に任せちゃってもいいかな?」


私は美咲のパワフルな行動力を信じて甘えることにした。


それにこういうときの美咲に、変に遠慮なんかしたら叱られるに決まってる。


「了解!まかしといて?」


この手紙を受け取ったら、藤森さんはきっと健を救ってくれるに違いない。


うまくいくことを祈りながら、私は美咲に手紙を託した。


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