Fragile～思い出に変わるまで〜
藤森とひなと三人で暮らしはじめてもう2ヶ月が経とうとしている。
父親としては合格点だと自分では思っていた。
ひなもすっかり俺がいる生活が当たり前になっている。
今では母親である藤森よりも、俺にベッタリなことの方が多いくらいだ。
でも、夫としてはどうなんだろうか？
夫と言ってもまだ籍は入れていない。
藤森がそこには慎重になっていたせいもあるが、俺自身もまださとみに遠慮している部分があったからだ。
俺のそんな気持ちを汲み取ってくれているのか、藤森はそれ以上なにも言わない。
ひなの父親代わりをしてくれているだけで満足しているのか、それとも俺の家庭を壊してしまったことへの後ろめたさなのかはわからない。
