Fragile~思い出に変わるまで〜
それから美咲に連絡すると、美咲も母並みにテンパっている。


「わかった!すぐ行くから!」


ガチャ…ツー…ツー…ツー…


それだけ言うと、電話を切られてしまった。


私より美咲が産むみたい……


心配してくれてるのに悪いなと思いつつ、つい口許が緩んでしまう。


父が車を玄関に回したからと母に言われて向かおうとしたとき、また痛みが走ってうずくまってしまった。


息を吐きながら深呼吸するけど、痛すぎてうまく動けない。


母が心配そうに私の腰をさすってくれて、大丈夫よと何度も繰り返して痛みが収まるのを待ってくれた。


しばらくすると痛みが引いてきて、咄嗟に時計を確認すると5分間隔になっている。

< 357 / 589 >

この作品をシェア

pagetop