Fragile~思い出に変わるまで〜
「お母さん、もう5分間隔になってるみたい……」


そう母に伝えると、彼女は先輩風を吹かせて私に自慢げに言った。


「大丈夫よ、初産は遅れるって言うし、私の時も5分間隔になってから、かなり時間かかったんだから!」


威張って胸を張る母に思わず笑ってしまうと、何が可笑しいんだと言わんばかりの顔で睨まれた。


慌ててありがとうと、母の言葉で安心したことを伝える。


母は満足そうに頷くと私を支えながら車に向かった。


そんなやり取りをしていたからか、5分間隔で襲ってくる痛みにもなんとか耐えられるようになってくる。


ようやく車に乗り込むと病院に向かった。


病院までは車で10分程度の場所にある。


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