Fragile~思い出に変わるまで〜
「じゃあ健
今夜は私、飲み会で遅くなるから、ひなのことよろしくね?」
「あぁ……わかった」
最近、あやは介護の仕事が忙しく、保育園のママ友との付き合いもあって、夜出歩くことも多くなった。
お互いすれ違いの生活が続いている。
ひなは相変わらず俺になついてくれてはいるものの、だんだん大きくなるにつれ、友達と遊ぶ方が楽しくなってきているようだった。
三年前、籍を入れてから、俺の中ではこのまま家族三人で仲良く楽しい生活が待っていると信じてた。
けじめをつければ、あやもきっと喜んで、さとみへの後ろめたさも忘れて俺に歩み寄ってくれるんだと……
出来ればひなに弟か妹を作ってあげたいという気持ちもあった。