Fragile~思い出に変わるまで〜
「ママぁ、まだ?プリンたべたいよ」


健太がぐずりはじめる。


「ごめんね?純ちゃんからなの、もうちょっと待ってて」


そう健太に伝えると、彼の顔がぱあっと明るくなって代わってくれとせがむ。


健太は桜井くんが大好きだった。


彼の元気で時に子供っぽいところが、子供には合ってるのかもしれない。


「ごめんね?健太が代わりたがってるんだけど、いいかな?」


桜井くんは少し嬉しそうに快く引き受けてくれた。


健太に携帯電話を渡すと、なにやら一生懸命話をしている。


「うん、うん、じゅんちゃんこんどはいつ会える?

わかった!やくそくね?」


そんなやり取りをして満足したのか、はいっと携帯電話を私に返してきた。


「なになに?ずいぶん楽しそうに話してたじゃない?なんの話?」


健太の頭を撫でながら、そう桜井くんに聞くと、彼は得意気に答えた。


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