Fragile~思い出に変わるまで〜
「ほんと?やったぁ!
じゃあね、じゃあねぇ
ひな、おにくがいいなぁ」


嬉しそうにはしゃぐひなを見て、俺はホッと胸を撫で下ろした。


「わかった、じゃあママにも言っておくから」


「うん!」


すっかり機嫌を直したひなは、温め直したおかずやスープをテーブルに運んでくれる。


一緒に夕飯を食べ終えると、後片付けをする俺にくっついたまま、洗ったお皿を一生懸命拭いてくれた。


やっぱり寂しいんだろうな……


俺の側を片時も離れないひなを見て改めてそう思う。


あやは今日もおしゃれして出かけて行った。


もしかしたら相手は男なのかもしれない。


あいつは母親なのに、ひなにこんなに寂しい思いをさせて何やってんだ……


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