Fragile~思い出に変わるまで〜
あやが帰ってきたときのシュミレーションを頭の中で描く。


そうこうしていると、玄関の方から扉を開く音がした。


そのままリビングに入ってきたあやを出迎えて声をかける。


「おかえり」


あやはビックリした様子で、目を見開いて俺を窺うように見た。


「た…だいま……

どうしたの?起きて待ってるなんて珍しいね」


あやは動揺しているのか目を泳がせて、俺の側までおずおずとやってくる。


「ちょっと……話があるんだ」


「えっ?何?

何かあったの?」


自分のことだとは露ほども思っていないのか、あやはすっとんきょうな声を出して、間抜けな質問をしてきた。


「ひなのこと?

どこか怪我でもした?」


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