Fragile~思い出に変わるまで〜
「ほんと、さとみはわかりやすいよなぁ

なんもないから大丈夫だよ

結婚して10年も経ってんのに、ヤキモチ妬いてもらえるなんて、俺も幸せもんだな?」


健は愛おしそうな目をして右手を伸ばし、私の頬をそっと撫でた。


ピクッと反応した私を捕らえるように顔が近づいてくる。


私を安心させようとするかのように柔らかな唇をゆっくりと重ねた。


初めは優しく、時折激しく濃厚に、健の唇と舌が私を攻める。


とろけそうなくらい気持ちよくて、健に身を委ねていたけれど……


逆にそれが、何か後ろめたいことでもあるんじゃないかと、不安な思いに拍車をかけた。


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