Fragile~思い出に変わるまで〜
今度は私の顔をチラッと見ると、ね?のところで口の端をクイッと上げて意地悪く笑った。


「そんなわけなんで、さっきの告白は忘れてください!

これまで通りのお付き合いで、よろしくお願いします」


頭を下げてそう言ってくれて、不謹慎だけど私はホッとした。


これからも今まで通り私達の側にいてくれるんだという安堵感で涙が出てくる。


「あ!でももし俺に惚れるようなことがあれば、いつでもさっきの告白を思い出してくれてもいいですから!

さとみさんからの逆プロポーズなら喜んで受けますよ?」


そんな風に冗談混じりに言って私を気遣う桜井くん。


彼を好きになれたら良かったのに……と思う。


でもこんな素敵な人、私なんかにはもったいない。


いつの間にか、また涙がこぼれ落ちていた。


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