Fragile~思い出に変わるまで〜
少しの間絶句していた彼女は、隠しきれないと思ったんだろう。


目を伏せながら長い長い息を吐いて、ポツポツと話し始めた。


「……ごめん

健にしてみたら……裏切り行為だよね?

なんのために自分の家庭を犠牲にしてまで、私とひなのために話をつけたんだろうって……思ったよね……?」


否定するかと思ったのに、あっさり認めたあやに拍子抜けしながら、思ったほど自分が傷ついていないことに驚いた。


「いや……まあそれはそうなんだけど……

わかってるならなんでなんだよ

いつから?」


そう冷静に問いかけると、あやは観念したかのように正直に答えた。


「半年前……くらいだったかな?

偶然……駅で私を見かけたらしくて声をかけられたの

少し話してたら……昔みたいな強引な感じじゃなくて……

ひなと……私が幸せにやってるかをすごく心配してくれてて……」


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