Fragile~思い出に変わるまで〜
そう言われて俺は心底呆れて溜め息をつく。


あやはその場その場で自分に優しい存在ならなんでもいいのか、と正直憤りを隠せない。


しかしこれで怒りをあらわにすれば、あやは萎縮してこれ以上話さなくなるかもしれない。


沸々と沸き上がる怒りをどうにか静めて、続きを促した。


「それから私の話をよく聞いてもらうようになって……

たまに夜、飲みながら話したり……してた」


確かに半年前といえば、あやが夜外出するのが多くなった頃だった。


浮気と言えるのかはわからないが、俺が危惧していたことは遠からず当たっていたということか……


それにしても……自分に話さず、中田に話を聞いてもらっていたということは、俺のことを相談していたんだろうか?

< 432 / 589 >

この作品をシェア

pagetop