Fragile~思い出に変わるまで〜
俺はあやに自分の気持ちを全部吐き出してもらいたくて、言いやすいように言葉を付け足した。


「このままだと俺達また同じことの繰り返しになっちゃうと思うんだ……
だから……もし俺に対して言いたいことがあるんなら、この機会に全部話してもらいたい」


なるべく優しく言うと、あやは少し考えてから悲しげに頷く。


俺はあやが話し出すのをゆっくりと待った。


「健は……この三年間……

私やひなのために一生懸命やってくれてたと思う……


ひなは最初から健になついてたし、今でも大好きな存在だし……

今まで父親がいない寂しさをひなに感じさせずにすんだのは、健のおかげだと思ってるし……

ほんとにそれは感謝してるし、ありがたいと思ってる


私に対しても……愛そうとしてくれてるのも充分伝わってた……」


< 434 / 589 >

この作品をシェア

pagetop