Fragile~思い出に変わるまで〜
「健が……ひなに弟や妹を作ってあげたいって言ってくれた時も、すごく嬉しかった

でも……さとみさんと間違えて健に抱かれた時の、あその感触が忘れられなかったの……

代わりでもいいってその時は思ったのに……

あれから健に抱かれるたびに……さとみさんの代わりに抱かれてるような感覚に陥って耐えられなかった……


結局……人の旦那さんを奪い取った私への罰だったのかもしれないね?」


涙を流しながら無理に笑おうとするあやが、どこか遠くの人のように見えた。


俺はまた自分の妻を辛い目に合わせて、泣かせてしまっている。


全部俺のせいだ……


寂しさを埋めるためにあやとひなを利用したことは否定できない。


しかも、心の底ではあやさえいなければさとみと別れることはなかったのにと思っていたのかもしれなかった。


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