Fragile~思い出に変わるまで〜
会社からそう遠くない駅の近くの居酒屋に落ち着くと、桜井は生ビールで俺はウーロン茶を注文する。


揚げ物ばかりをつまみに選ぶ辺りは、さすがに若者らしい。


俺は酒を呑まない代わりに、カルビチャーハンやらピザやら思いきり飯物を注文してやった。


飲み物が運ばれてきたので、とりあえず乾杯することにする。


「部長と課長の昇進祝いに!乾杯!」


桜井が機嫌よくそう言いながら、俺のウーロン茶に自分のジョッキを当ててくる。


「乾杯」


俺もそう言うと、同じようにグラスを合わせた。


だんだん酒が入ってくると、桜井はいつもにも増して雄弁になってくる。


「部長は今、一人で寂しくないんすか!?

あーんなに可愛い奥さんを裏切っといて、急にパパになったと思ったら、まぁた離婚して!

俺は悲しいですよ!」


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