Fragile~思い出に変わるまで〜
おおげさに泣き真似をして見せる桜井に、俺はどう対処したらいいのか戸惑う。


なんか、絡まれてるような気がしてきた。


「ほんとになぁ
俺はバカだったよ……

お前に何度も忠告されてたのにな?

さとみにどれだけ甘えてたのか、今回はほんとに思い知ったよ」


だからなるべく刺激しないように、素直にそう答えたのに……


桜井は急にピクッ眉間にシワを寄せて俺を睨む。


「それって……それってぇ!

あれすか?

もしかしてぶちょお……

まださとみさんのこと未練あるってことすか?」


かなり据わった目で俺を睨みながら、そう聞いてくる桜井に俺は少し怯んでしまった。


「ちょっ!そんなに睨むなって!

怖いよ……お前……

飲み過ぎ!」


それでも桜井はさらに詰め寄ってくる。


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