Fragile~思い出に変わるまで〜
私の様子を窺いながら、遠慮がちにそう話す美咲に、私はホッとしたような寂しいような複雑な気持ちになる。


「そっか……

健……元気なんだね?

なら、良かった……」


なぜだかわからないモヤモヤする気持ちを押し込めて、そう言葉を絞り出す。


健が誰の力も借りずに立ち直って、元気に暮らしてるなら……それはそれで喜ばしいことだ。


でも、それと同時にもう私の存在は必要ないんだ……と改めて認識してしまう。


藤森さんに託してからは、健のことは吹っ切ったつもりでいた。


それなのに……藤森さんと別れたと聞いて、もしかしたらって……


少しでも私を思い出してくれるんじゃないかって……期待してしまう自分がいた。


ばかみたい……


そんなわけない。


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