Fragile~思い出に変わるまで〜
「いやいや俺も負けてないっすから!」


そう応戦する桜井くんを制して、美咲の答えを待つ。


「葛西臨海公園はどうかなぁと思って!

ここからならそんなに遠くないし、桜ももちろんだけど水族館もあるし、公園も広いから健太が暴れても気にならないし、ピッタリかなって思って!」


すると桜井くんがすかさず間に入った。


「うわっ!まじすか?

俺とまったく一緒なんですけど……」


この二人は感性が似てるというか……人のために一肌脱いじゃうとこも似てると思ってたけど、こんなとこまで……ビックリだ。


「すごーい!
二人とも同じ場所だなんてすごい偶然!

じゃあ決まりだね!」


そう言ってニッコリ笑うと、二人は腑に落ちないようだったが、仕方ないというようにひきつった笑いを浮かべた。


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