Fragile~思い出に変わるまで〜
「じゃあ決まったってことで、今お昼作るから待っててね?」


微妙な空気の二人を置いて、私はお昼を作りにキッキンへと向かう。


野菜を切りながら、ちらっとリビングに目をやると、健太がようやく遊んでもらえるとばかりに桜井くんの背中に乗っていた。


美咲も健太を構いたくて桜井くんから引き剥がそうと、健太をくすぐっている。


さっきまでの険悪な空気はすっかりなくなっていて、三人でじゃれあってる。


フフッと自然に笑みがこぼれた。


いつまでもこんな関係が続くとは限らない。


だったら今この瞬間を大切に精一杯楽しもう。


二人の優しさに触れながら、この光景を目に焼き付けるように三人の様子を微笑ましく眺めていた。


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