Fragile~思い出に変わるまで〜
呆然としている私と健をよそに、美咲は特に驚く様子もなく、桜井くんに話しかけている。



――美咲…知ってたな……


やられた、と思った。


桜井くんと美咲は最初から私と健を引き合わせるつもりだったんだ。


このしらじらしい紹介の仕方も、はじめまして的に私達を会わせて、ここから友達にでもなれってことなんだろうか?


「じゅんちゃーん!
なんできょうはいっしょにこなかったのぉ?」


そのとき私の後ろにいた健太が桜井くんを見つけるなり走り出した。


そのまま嬉しそうに桜井くんの胸に抱きつく。


「おー健太!
今日もちゃんと自分で用意出来たのか?」


「うん!おれ、これもこれもじぶんできたしぃ
くつもはいたよ!」


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