Fragile~思い出に変わるまで〜
「こんにちは

えっと健太……くんだっけ?

おじさんは大沢健って言います、よろしくね?」


怖がらせないように優しく笑顔で握手を求めた健だったけど……



「うん……」


健太は小さくそう返事をしただけで、おずおずと手を出して緊張気味に握手に応えた。


大人達の空気を察しているのか、健太はいつものようにはしゃぐわけでもなく、桜井くんのシャツの裾を握ったまま動かない。


私はそんな健太に申し訳ない気持ちになって、健になんでもないふりをして話しかけることにした。


「大沢さん、お久しぶりです
……元気でしたか?」


一応もう他人なのだからと敬語で挨拶をしてみた。


すると健は一瞬だけ悲しそうな表情を見せたものの、すぐに先ほど健太にも見せた優しい笑顔で私に答える。


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