Fragile~思い出に変わるまで〜
「ちょっと!

太ったって言いたいんでしょ?


健は……変わらないね?」


こんな風に自然に普通に話せることができるなんて、夢のようだった。


「で?さとみも俺が来ること知らなかったのか?」


急に現実に引き戻されて、ハッとする。


「健も……でしょ?

まんまとあの二人にハメられたみたいだね、私達」


そう言いながら、健太と少し離れた場所にいる美咲と桜井くんを睨んだ。


「俺はお前らが何で友達になってるのか、そっちがビックリだよ……」


私と普通に話せてホッとしたのか、健はいろんなことが頭を巡って軽くパニックになってるようだ。


「まあいろいろあったのよ……

話せば長くなるし……

今日はせっかくのお花見と水族館なんだから、余計なことは忘れて一緒に楽しもう?」


ね?と水族館に入るよう促したその時――


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