Fragile~思い出に変わるまで〜
「なんだぁ、そうだったんだー

じゃあみぃんなおともだちなんだね!」


健太は嬉しそうにそう言って桜井くんの元にまた戻ると、彼の手に自分の手を絡ませてつないでもらおうとしている。


美咲もそれに続いて健太と手をつなぐと、まるで三人が親子のように見えた。


ふと気づくと、側で固まっていた健が、私のすぐ横に立っている


そして私に今一番聞きたいであろう事を、思いきったように質問してきた。


「さとみ…さっきの……

あの健太って子……

さとみのこと……ママって呼んでなかった……?」


健は動揺を隠せないのか途切れ途切れに精一杯そう言いながら、私の顔を情けない顔で見つめる。


「うん、呼んでたね」


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