Fragile~思い出に変わるまで〜
譲らない桜井に違和感を覚えて、俺はむきになって訴えた。


「なにが悲しくてお前と二人で広い公園を散策したり、水族館で魚眺めたりしなくちゃいけないんだよ」


想像するだけで鳥肌が立つ。


やっぱり来るんじゃなかったか?


本気で嫌そうな顔をした俺を見て、仕方ないと思ったのか、桜井はその場所にした理由を話し始めた。


「いや……実はですね?
現地集合で俺の女友達二人と落ち合うことになってるんです……よねぇ?」


あははは……とごまかすように笑いながら、桜井はバツの悪そうな顔で俺の様子を窺う。


なんかおかしいと思ったらそういうことか……


もう向かってるわけだし、今さら帰るっていうのも大人気ない。


それに男二人じゃないなら、逆にその方がいいのかもしれないと思った。


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