Fragile~思い出に変わるまで〜
「もしかして……さとみの……?」


恐る恐るそう聞くと、さとみの口から一番聞きたくなかった答えが返ってきた。


「うん、そうなの……

私の……子だよ?」


「――っ!」


本当は否定してほしかった。


違うよって……親戚の子だよって……


そんな風に笑いながら、言ってほしかったのに……


薄々は感じていたけれど、まさかの答えに衝撃が走る。


桜井……


せっかくお前が会わせてくれたけど、ちょっと遅かったみたいだ……


俺は愕然としながらも、なんとか平静を装って、彼女に声をかける。


「そっか……

さとみ結婚してたんだな?」


ようやく絞り出した言葉は、認めたくないものだった。


だけど、さとみが幸せなら諦めて前に進もうって決めたじゃないか……


折れそうになる心をなんとか奮い立たせて、さとみの幸せを祝福する言葉を探す。


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