Fragile~思い出に変わるまで〜



疲れた……


花見の帰り道――


桜井に家まで送ってもらう車の中で、俺はすっかり疲れきっていた。


さとみに子供がいることがわかってから、正直そのあとどう過ごしたのかさえ覚えていない。


水族館を回り、花見をしながらさとみの作ってきてくれた弁当をみんなで食べたことは覚えてる。

そう頭では理解しているものの、心が追い付いていかなかった。


助手席でボーッと外の景色を眺めていると、桜井が運転しながら声をかけてくる。


「部長、どうでした?
今日のお花見はサプライズだったでしょう?」


なんだか嬉しそうにそう言われて、無性に腹が立った。


「なんでお前とさとみたちが繋がりもってんだよ……
いつからなんだ?」


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