Fragile~思い出に変わるまで〜
「俺がまださとみを忘れられないんじゃないかって……

それが痛いほど伝わってきて辛かったって……

そう言われて初めて、自分の気持ちに気づいたんだ

確かにいつも藤森をさとみと比べてたことに……
さとみがいない寂しさを埋めるための存在だったってことに……

俺があいつらと一緒にいたのはひなの存在が大きくて……

藤森は最初はそれでもいいと思ってたらしい

でも……だんだんひなのためだけに暮らしてるのが耐えられなくなったって……」


こんなことを話して、さとみに呆れられるんじゃないかって、怖い気持ちもあった。


だけど、正直に伝えなければ、さとみに自分の気持ちも伝わらない。


さとみは黙って俺の話を聞いてくれている。


俺は覚悟を決めて話し続けた。


< 549 / 589 >

この作品をシェア

pagetop