Fragile~思い出に変わるまで〜
ゴールデンウィークということもあり、道はだいぶ混雑していた。


予定より10分ほど遅れて、さとみが住んでいる団地に着きそうだ。


今日は桜井や美咲もいない。


完全に俺とさとみと健太くんの三人だけだ。


花見のときのことを思うと緊張が走る。


電話でさとみは余裕そうな声で「大丈夫よ」と言ってくれたけれど……


だんだん団地に近づいてくると、さとみと健太くんらしき人影が見えてきた。


二人の側に車を横付けして窓を開ける。


「おまたせ!

チャイルドシートつけるんだろ?

今、降りるから待って」


ひなで慣れていたから、手際よく後部座席にチャイルドシートを取り付けることが出来た。


健太くんを乗せようと振り返って、笑顔で声をかける。


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