Fragile~思い出に変わるまで〜
そんな状態のまま、動物園に到着してしまい、俺は内心どうしたもんかと悩む。


少しでも距離を縮めたくてパンダのところまでやってきた時、肩車をしようとひょいと健太くんを抱き上げ肩に乗せた。


すると彼は驚いたように固まって、俺の頭をギュッと掴んで黙っている。


喜んでくれると期待したものの、やはり彼の態度は変わらなかった。


仕方なくさとみとアイコンタクトを取りながら、動物を見て回る。


俺はここまで拒否されることに違和感を覚えて、何か原因があるんじゃないかと思い始めた。


さとみも俺と同じ考えだったのか、後で聞いてみるから……と健太くんに気付かれないよう小声で囁く。


一人……動物を見ながら何か考えてる様子の健太くんに、小さな体で何を抱えているのか心配になった。


俺がさとみに近づくのが嫌なんだろうか?


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