Fragile~思い出に変わるまで〜
「ぼく……いつか純ちゃんがパパになるって思ってたんだ……

それなのに急にこのおじさんが来て……ヒック………

今日だって純ちゃん来ないし……」


ショックだった。


仲がいいのはわかってたけれど、こんなにも桜井を慕ってたなんて……


俺は少し自信を無くして、黙ったまま健太くんの話を聞いていた。


「健太……

あのね?大丈夫だよ?

純ちゃんはパパにはなれないけど……

ずっと健太のお兄ちゃんとして側にいてくれるってママに言ってくれたもん

いなくなったりなんかしないから安心して?」


さとみが優しく言い聞かせる。


どうやら俺が現れたことで、桜井にもう会えなくなると思ったようだ。


「ほんと……?

また純ちゃん遊んでくれる?」


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