Fragile~思い出に変わるまで〜
動物園の帰り道――
車の中で、健太くんは疲れてぐっすり眠っている。
俺は今後について話したいこともあって、さとみに助手席に座ってもらった。
「なんか……ごめんね?
まさか健太があんな風に思ってたなんて……知らなくて……
昨日、健のことはきちんと話しといたんだけど、なんかいろいろ勘違いしてたみたいで……
健には嫌な思いをさせちゃったね?……ごめん」
「いや、生まれた時から桜井といるのが当たり前だったんだから仕方ないさ
確かに俺なんて急に降って湧いたようなもんだし……」
さとみに心配かけまいと必死に笑顔を作ってみせるけど、うまくわらえてるかどうか自信がない。
「帰ってから健太にはもう一度よく言って聞かせるから……」