Fragile~思い出に変わるまで〜
信じられない気持ちでさとみを見ると、彼女は小さく頷いて答えを教えてくれた。


「そう、健太は健の子なの……

名前も健の字を一字もらって健太にしたんだ

黙っててごめんなさい」


「――ッ!」


そ……んな……


だってあの時、一言もそんなこと……


俺はわけがわからなくなって、目をしばたたかせながら、さとみを見つめたまま言葉を失う。


「あの時、もうすでに妊娠してたの

散々出来なかったのに、このタイミングで?って神様を恨んだわ

でもね?

お腹に赤ちゃんがいるってわかってから、私は一人じゃないって思えた

大好きな健の分身がいつもついててくれるって……」


「なんで……言わなかったんだ?

あの時……言ってくれてたら……」


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