Fragile~思い出に変わるまで〜
そのおかげなのか、健太もだんだん打ち解けてくれるようになり、いつの間にかパパと呼んでくれるようになっていたのだ。


さとみと二人で暮らしていた時と圧倒的に違うのは、毎日が賑やかだということだ。


桜井や美咲が休みのたびにやってくるのも原因のひとつでもある。


健太が楽しみにしているのもあり、大人数で休日を過ごすことが多い。


しかも俺はその仲間にあとから加えてもらったのだから、文句も言えない。


でもみんなからの愛情を受けて育った健太は、ほんとにいい子に育ってくれている。


それだけで、この三人には感謝の気持で一杯だった。


ピンポーン!


勢いよくチャイムが鳴る。


この朝の忙しい時間に誰だ?


不思議に思いながら、玄関のドアを開けたそのとき――


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