Fragile~思い出に変わるまで〜
「おはよう!」
「おはようございます!」


同時に声を揃えるのは、美咲と桜井だった。


「お…前ら……

どうしたんだよ?こんな朝早く」


二人の勢いに圧倒されながら迷惑そうな顔でそう言うと……


「何言ってんの?
健太の入学式なんだから、私たちも参加するに決まってるじゃない!」


当たり前のように美咲がそう言うと、桜井も横でウンウンと頷いている。


「桜井……お前まで休んで仕事回んのかよ?」


思わず呟いてしまうと、桜井は心外だというような顔で俺に食って掛かかる。


「そう思うなら部長が出勤すればいいじゃないですか!?

俺は健太が生まれた時からずっと親代わりみたいなもんだったんですから、晴れ姿は絶対見逃せないですよ!」


それを言われると、なんにも言えなくなる。


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