Fragile~思い出に変わるまで〜
「はあぁぁ……」


俺は大きく溜め息をついて、諦めたように部屋に招き入れた。


「わかったよ、悪かった……

来てくれてありがとな?」


すると二人は満足したように、ドヤドヤと健太のいるリビングへと入っていく。


仕方ないか……


そんな二人の背中を見送りながら自然と笑みが溢れる。


俺より歴史があるもんな……


そう納得してリビングに向かうと、すでに健太は二人からプレゼントされたランドセルを背負わされていた。


そのままポーズをとらされ、撮影会が始まる。


俺は苦笑しながら、邪魔しないでおこうとさとみの元へ向かった。


寝室に行くと、さとみはスーツに着替え、いつもより念入りに化粧をしている。


俺はドアにもたれて腕を組みながら、その様子を眺めていた。


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