Fragile~思い出に変わるまで〜
「健、健太は?

支度できたの?」


ハッと我に返ると、照れ隠しに笑いながら答える。


「あ、あぁ……

もう完璧

しかもあいつら二人にすっかり占領されてる」


さとみは目を丸くして俺の顔を見る。


「うそ!美咲と桜井くん来てるの?

そう言えば……さっきチャイム鳴ってたけど、あの二人だったんだ」


「そうなんだよ……

俺もびっくりしたけど、健太の晴れ姿は見逃せないって張り切ってる」


それを聞くと、さとみは可笑しそうにクスクス笑いだす。


「まあ確かにね?

生まれた時から自分の子みたいに思ってくれてるからありがたいけど」


そう言ってから、さとみはハッとしたように時計を見た。


そろそろ出かける時間だ。


俺はいったん花純美をベッドに寝かせて、さとみと一緒にリビングに向かう。


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