Fragile~思い出に変わるまで〜
「あー、なんとか終わったぁ!」
うーんと大きく伸びをしながら、なんとか仕事を終わらせたことに俺は安堵した。
ふと腕時計に目をやると、7時40分を指している。
――間に合いそうだな?
急いで帰り支度をしていると、桜井が怪しげな顔をして話しかけてくる。
「課長?
なんだか昼にメール読んでからおかしくないすか?
急に張り切り出したりして、これからなんかあるんですか?」
「……えっ?」
とぼけた顔で受け流そうとするけれど、桜井はそれを許さない。
「浮気じゃないでしょうね?
奥さんに言い付けちゃいますよ!」