Fragile~思い出に変わるまで〜
「そうか……

で?藤森はどうしたいの?」


――まあ復縁するつもりはないんだろうな……


彼女の話し方から察しはついたものの、一応確認のため聞いてみた。


「娘のためには父親がいた方がいいんだろうし、実際実の父親だから、少し悩んだんだけど……」


藤森はどこか遠くを見るような表情で続ける。


「私が……ダメなの

もう彼を好きじゃないし、一緒になんて暮らせない」


少し語気を強めながら、そう言い切る彼女からは、元旦那への嫌悪感が伝わってくる。


「そっか……
でもそしたらもう答えはでてるじゃん?
無理して復縁したところで娘さんのためになんかならないことはわかってるんだろ?」


相談と言いながら、すでに気持ちは決まってる様子の藤森に、少し首を傾げながら聞いてみた。


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