Fragile~思い出に変わるまで〜
朝、目がさめて隣を見ると、健が寝息をたてて気持ちよさそうに眠っていた。
ふぅ……と小さくため息をつく。
帰ってきてたんだ……
良かった……
健の寝顔を見ながら、ちゃんと帰宅していたことに安堵する。
寝不足の頭をどうにか持ち上げて、朝食の支度をするために、起こさないようそっとベッドから抜け出した。
そのまま軽く身支度をして、洗面所で顔を洗う。
冷たい水でバシャバシャと顔をすすいでいると、重かった頭がだんだんスッキリしてくる。
鏡の中の自分ににっこり微笑みながら、健に変な顔を見せないよう練習した。
「よしっ!」
一人気合いを入れてキッチンに向かう。
ハムエッグとサラダを手早く作り、トーストを焼きながら、カフェオレを入れる。