彼はクールフェイス☆
でも……うん、ヒナタに似合いそう。
洋服も安く済んで予算余ってるし…
「買っちゃおうかな」
「よしよし♪」
一大決心。
意を決してレジに持って行く。
「いらっしゃいませ」
「あの…プレゼント用に簡単に包んでほしいんです」
「彼にプレゼントですか?」
ニコッと笑う綺麗な店員さん。
頷いたものの、恥ずかしくなって俯く。顔がほてってる。
あっち~ぃ……
「これ、今の時期に結構人気出るんですよ♪香りが涼しげですもんね」
箱を紺色の包装紙で綺麗に包んで、水色のリボンをかけてくれる。
「ありがとうございました♪」
買っちゃった。私から初めてのプレゼント。
喜んでくれるかはわかんないけど。
使ってくれると良いな~………
◇◇◇
「ヒナタっ、ちょっと……いい?」
プレゼントを渡すべく、様子を伺って早二日。一向に渡せる気配が(というか二人になる暇が)ないじゃない。
痺れを切らして、とうとう男子の群れへ飛び込んだ。
我ながら勇気ある行動。
でも………
みんな一斉に私に注目。ううっ、視線が痛い。針の筵って感じ?
うちのクラスって、基本的に男女バラバラのグループが出来てるから、あんまり接触する機会がないんだよね。お互いを遠目で眺めてるくらい。
きっと、なんか文句あって乗り込んできたぞ…位に思ってるんだろうね。
しかも私が【小池君】から【ヒナタ】って呼んでることにも、興味が集まってるみたい。
だって小声でヒソヒソ言ってるの聞こえてるもん。
まぁ、ヒナタが自分から彼女出来たとは喋らないだろうとは思ってたけどさっ。
「…何?」
「えっと、ここじゃちょっと……」
どうもカレカノの会話っぽくない。
だから、逆に変な勘繰りが始まった。
「おっ、成宮の告りタイムか?」
「マジで!?」
周りがざわつく。